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PROJECT #01 PROJECT #01
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社会ニーズが高まる木造建築

 2010年(平成22年)に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が制定されると、日本国内では公共建物での木材利用が活発化します。さらに、社会全体が地球規模で持続可能な社会を目指す声が高まると、CO2の固定につながる木材の使用は、環境面やブランディングなどの観点から民間においても、注目されるようになりました。現在では、木材を用いた中・大規模の建物が全国各所で計画されるようになっています。

 そのような社会の流れの中で、物林は丸太の調達から製材まで手掛ける木材のプロフェッショナルでありながら、木造の建設部門を有する企業として、ゼネコンをはじめとする多くの建設企業から信頼を得ていきました。これまでに、役場庁舎や公民館、ホテル、保育園、消防署など、さまざまな木造建物の施工管理を手掛けています。

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木を熟知した
物林だからできること

 物林の建設事業の強みは、国産材を扱う部署をはじめ、建設資材全般を扱う商社機能や、造園の工事や管理に長けた部署など、多岐にわたる事業を運営している点です。これにより大量の木材を必要とする大型建築のプロジェクトでも、設計から資材販売、建設工事に管理までトータルで請け負うことが可能です。元々は、構造材に国産材を用いる事案が一般的でしたが、近年は駅舎やホテルなど、内装材にも国産材を希望する計画が増えています。また、地域産材で庁舎や施設を建てたいというご要望も目立ってきました。木造建築の需要は益々拡大しており、物林は各事業部が有するネットワークを駆使しながら、最適な実現方法のご提案に努めています。ある社員は「木だったら何でもできるのが物林の強み」と語り、針葉樹から広葉樹、内装材から構造材まで、どんなオーダーにも応えていくと意欲を見せます。

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国内初の
高層ハイブリッド
木造建築に参加

 大型建築で数多くの実績を有する物林は、国内初となる高層ハイブリッド木造ホテル「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」の建設にも携わりました。地下1階地上11階建てのうち、7階までが鉄筋コンクリート造で、8階をRC造と木造のハイブリッド構造、9~11階が木造です。木造部分では高耐力壁とCLT床の採用で高層階の面構造を実現しました。1フロアの面積は500㎡で使用した1200㎥の木造のうち、約8割が地元の北海道産です。計画を担当した物林社員は「部材をつくるのがまず大変だったが、施工はもっと大変だった」と振り返り、挑戦の連続だったこの工事により得た経験は、物林の施工能力をさらに高めたと語ります。

事業者:三菱地所 設計:三菱地所設計 施工:清水建設

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製材と加工における
高い技術の蓄積

 先ほど出てきたCLT(Cross Laminated Timberの略称)は大規模木造建築の可能性を広げる新建材で、国も活用を推奨しています。ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料で、壁や床に構造材として用いることができます。物林はCLTを用いた施工経験も豊富で、北海道にあるグループ会社のオホーツクウッドピアでもCLTを製作しています。 また、オホーツクウッドピアでは集成材を製作しています。集成材の加工では湾曲した形状や、従来は大工が職人技で手刻みした複雑な継手なども機械加工による生産が可能で、要求の高いニーズにも応えられる体制を整えています。

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地材地消に貢献するノウハウ

 物林が手掛ける木造建築は、年々、技術や納期、品質などで高い要求を求められるようになっています。これはそれだけ物林の過去の成果が評価されている証でもあります。日本には全国各地に豊かな森林資源が蓄えられています。例えば、物林が複数の事務所を構える北海道では、道内の市町村の多くが森林を有しており、地域産材を地元の工場で製材して地域内で循環させる取り組みに関心を寄せています。道内には179市町村があり、それぞれに役場や学校、図書館などの各種施設が存在します。

 北海道勤務のある物林社員は「どの建物もいずれは建て替えのタイミングを迎えます。つまりそれだけ仕事の可能性があるということ」と語ります。従来は鉄筋コンクリートで建てられていたものを地域産材で建て替えれば、人材もお金も、地元で循環と還元が可能です。そのような座組を構築するのも物林のソリューションの一つです。